「人生から得た知見」を発信しているKちゃんと申します。
うつ病は、理解が難しい病気です。
他の病気とは違い、主な症状は精神状態に表れるからです。
心の状態は、他人からは見えない上に、
自分で押さえ込むことができてしまいますよね。
ですから、当事者が何か行動を起こさない限り、情報は外に伝わらないのです。
実際、私もうつ病を経験しました。
当時は、20歳の大学生。
初めて感じる抑うつ感覚に困惑したと同時に、
経験したことのある人にしかわからないその感覚を、誰にも共有できない寂しさを感じました。
この記事では、
- うつ病の感覚をわかってくれる人を探している
- うつ病って具体的にどんな状態なんだろう?
- うつ病の人がどのようなことを感じているのか分かってあげたい
という方のために
私がうつ病になったときに、どのような状態だったか
について書いています。
私自身が実際に経験したうつ病について発信することで
うつ病について悩んでいる人の役に立てたらとても嬉しいです。
この記事を読んでいただくと、
うつ病患者の精神状態を当事者の視点から知る
ことができます。
それでは、本題に入っていきます。
私の経験した症状の中でも、特に印象に残っているものを7つ挙げていきますね。
目次
私のうつ症状①: 何に対しても無気力
まず、私がうつ病になったときは、
何に対しても無気力でした。
これが、1番強く、そして慢性的に感じた症状です。
「無気力」とは文字通り「気力が無い」ことを意味しますが、
具体的には、「だるさ」や「疲れ」をイメージしてみてください。
ここで言う疲れは、主に「心」の状態を指します。
テーマパークで一日歩き回ったから足が疲れた、などといった身体的な「疲れ」とは別のものです。
学校の試験や、仕事の面接などがひと段落したときに
「とりあえず休みたい」
「何も指図されたくない」
「今したいことをしたい」
と感じた経験はありませんか?
精神的な疲労を感じている状態とは、そのような状態を指します。
LINEの返信や、学校のやるべき課題、家事などを後回しにして、
「今、自分の心が求めていることだけをしたい」
というような、心が休息を求めている感覚です。
私のうつ症状②: 集中力がない
また、集中力もなくなりました。
学校の教科書や難しい論文、書類などを読むときに
誰しもが、同じ箇所を繰り返し読み返した経験があると思います。
もちろん、脳が難しい内容を理解するのに時間がかかっている、ということもあると思いますが
それを抜きにしても、脳が拒絶しているような感覚がありますよね。
何度読んでも内容が頭に入ってこない、
集中できないとは、まさにその感覚です。
そのようなことは一時的には誰にでもあるように思えるでしょう。
そうです。
集中できないことは誰にでもあります。
一時的には。
うつ病の場合は
時間を置いたり、日を変えたりすれば調子が良くなるわけではないのです。
四六時中、集中できないのです。
また、脳の処理が遅いからか
全体的に思考や体の動きがのろくなり
テキパキした動作ができませんでした。
学校の課題や資格の勉強がなかなか進まないことで
集中できない自分にまず落ち込み、
やるべきことの終わりが遠のく感覚に
さらに落ち込むという毎日を繰り返していました。
私のうつ症状③: 趣味すら楽しめない
みなさんは、休みがあったら何をして過ごしますか?
- 友人とショッピング
- カフェで読書
- 家で映画鑑賞
自分がやりたいと思うことに積極的に取り組む人が多いと思います。
趣味とは本来、楽しく積極的に取り組めるものです。
楽しいと思えるものが趣味なのですから。
でも、うつ病の場合、それができません。
好きなことですら楽しくないのです。
私は普段、音楽を聴きながら散歩をすることがとても好きです。
音楽に浸りながら外の空気にあたることで
気分がリフレッシュされるからです。
しかし、それすらもダルさを感じるようになりました。
散歩後にはいつも、
リフレッシュした爽やかな気分よりも
疲労感が強く残ってしまいました。
他にも、物語が楽しめなくなりました。
私はアニメを観ることが好きです。
仲間との別れや、戦いのピンチなどの展開が含まれている作品は
それを乗り越えた先に感動があるため、心が揺さぶられますよね。
そのようなドラマのある作品が、社会的に人気を博しているわけですが、
そのような感情の浮き沈みにも疲れてしまうのです。
主人公が絶体絶命の状況にあったときにはもう耐えられず、途中で観るのを辞めました。
「いつもは楽しく見れるはずなのに」です。
特に楽しさは感じませんでしたが、
うつ病の1番落ち込んだ時期には
抑うつ気分を紛らわしたかったので
とりあえずアニメを流していました。
ただ淡々と時間が過ぎることを待っているような感覚でした。
私のうつ症状④: 人に会いたくない
私がうつ状態にあったときは、人に会うことが億劫でした。
(実は、2年以上経った今でも、まだ億劫さを感じます。マシにはなりましたが。)
「無気力」のところでも書いたように、「疲れ」を感じたからです。
私は今まで、それなりに学生生活を楽しんできた方だと思います。
小学校から高校までは特に、友達と会うことを楽しみに学校に行っていました。
でも、うつ病になった20歳前後は
人と会って帰ってくると、なぜか気持ちがぐったりしたのです。
私たちは人と接するとき、知らず知らずのうちに気が張ります。
うつ状態では、その緊張の度合いが通常よりも高く、
さらにその疲労を、過剰に受け取るようになっていたのだと思います。
友人と遊びに出かける度に
友人と過ごした時間の楽しさよりも、心の疲れが勝ってしまいました。
大学の授業や好きだったサークル活動、
また、どんなに親しい友達とのおでかけでも、
心が疲れてしまったのです。
ですから、自ら人と会いたいと思えなくなりました。
今思えば、友人との遊びはいつも受動的で、
自分から誘うことはほとんどありませんでしたね。
(正直、現在もそうです)
「疲れるから人と会いたくないけど、変に思われるのは嫌だから頑張って行くか」
という思いで渋々外に出ていました。
もちろん、疲労を貯めて帰ってきます。
そして自己嫌悪に陥ります。
その繰り返しです。
はっきり言って、とてもしんどかったです。
友人と一緒に時間を過ごす中で、心から笑えた瞬間もありました。
でもやはり、帰宅後は苦しいほどの疲労感に襲われるのです。
私のうつ症状⑤: 光や音の刺激に弱い
また、うつ病時には、光や音にも過剰に反応するようになりました。
特に、起床直後が刺激を感じやすかったです。
朝にシャッターを開けるとき、視界に入ってくる日光にとてもイライラしたんですよね。眩しすぎて。
なので、午後になるまではシャッターを下半分しか開けていませんでした。
また、寝起き状態の会話にも疲れを感じました。
朝(というかお昼近い時間ですが)、家族と会話をすることはもちろん、
自分に向けたものではない、家族同士の話し声にまでイライラしてしまいました。
いつも通りの声なのに、
音がやけに大きく感じたり、テンポが速く感じたりして、心地悪かったのを覚えています。
朝が嫌いだったり、家族が嫌いだったりしたわけではありません。
何気ない生活環境の光や音が、不快に感じてしまうのです。
私のうつ症状⑥: 希望を感じない
人は、未来に何かしらの希望を感じて生きていると思います。
「帰ったら愛犬が待っている」
「コンビニで気になっていたスイーツを買う」
といった些細な楽しみから、
「起業したい」
「将来結婚して家庭を持ちたい」
などといった大きな夢まで、
様々な希望があると思います。
私達は、毎秒それを考えているわけではありません。
でも脳はその期待を確かに、無意識的に頭の隅に置いていると思うのです。
だからこそ私達は今日を生きています。
しかし、私がうつ病になったときは、
未来に何も期待できなくなってしまいました。
ある時、
「何も楽しみがないのに、なぜ私は生きているんだろう?」
と思ったことをきっかけに、
「このままでは、生きている意味がないんじゃないか…それならいっそ、
すべて放り出して消えてしまいたい。」
と強く思ってしまいました。
幸い、死を望むほどの勇気は私にはありませんでした。
でも、とても辛かったことに間違いはありません。
人生を辞めたいと思ってしまうほど、未来に希望が持てなかったのです。
私のうつ症状⑦: 不安感が強い
うつ状態にあった私は、不安を特に強く感じていました。
私はもともと心配性なところがあり
未来に起こり得るデメリットを必ず視野に入れる癖があるのですが、
(このような不安を感じやすい思考回路を持っていることがうつ病の原因の一つであることは、ここでは一旦置いておきます)
うつ状態には、それがエスカレートしていました。
ひとつの不安から、悪い妄想がどんどん広がってしまうのです。
しかもこのような不安が、通常よりも強く、そして長期的に存在しました。
約1〜2ヶ月間、半分くらいの日数は、様々な強い不安に襲われていたような気がします。
中でも最も苦しかったのは、自分のうつ状態に対する不安でした。
「なんで私ばかりこんなに不幸が続くんだろう」
「この何も楽しくない気持ちはいつまで続くんだろう」
「今こんなに苦しいのに、本当に治るのかな」
そして、抑うつ状態を共感できるコンテンツを見た時や、自分の正直な気持ちを人に話す時など、
自分の不安な気持ちに触れるたびに涙が出てしまいました。
数日間、連続して毎日泣いていたこともありました。
何を考えてもネガティブなことばかりが頭に浮かび、
操られているかのように前向きなことを考えられないのです。
まとめ: うつ病の症状は辛い‼︎
ここまで、私がうつ病になった時の状態をお伝えしてきました。
読んでくださったみなさんの中には、気づいた方もいらっしゃると思いますが
全て、自分にしかわからない症状なんですよね。
自分から何かアクションを起こさない限り、周囲は異常に気付けないのです。
また、うつ病の症状自体も、「うつ病でない人でも経験する状態」の延長にあるものです。
例えば、「集中できない」「疲れ」「不安」などは
誰しもが、一時的に経験したことあるものだと思います。
だからこそ、
「こんなことは誰にでもある。意思が弱いだけだ」
と周囲から受け入れられなかったり、
自分で違和感を押さえつけてしまいやすいです。
しかし、うつ病の人は、
不安や疲れを感じる度合いが通常より大きく、それが長く続きます。
(二週間以上が目安とされています)
休養を取らなければいけない状態にあるのか、またはそうでないのか、
この線引きが自分にも、そして他人にもわかりにくいのがうつ病です。
うつ病について知識を深めたい方、また身近な人がうつ病の方は
うつ病の人は、一般的なものよりも程度が大きい疲れや不安を長期で感じていること、
そしてそれは経験したことのある人にしかわからないということを知っておいてください。
現在、うつ病を患っている方は、あなたは1人じゃないことを知っていてくださいね。
あなたの苦しみは私が理解しています。
この記事は以上です。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
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